体験修行の感想文・体験談
20代 体験修行 男性
先生の法話を聞いていくつか心に残るキーワードがあった。
「無意識は間違いない」「意識の変容」「人との縁」「自念障害」「人を恨むな、うらやむな」「光輝く存在になる」
数日間の行と先生の法話を聞いて気づいた事は、私が光り輝く存在として目指していたものが誤りだったということだ。
十年前、自身の在り方や人との接し方に悩んでいた中三の私は、一泊天光寺に宿坊した。
その時の教えか、いつしか私は空気のように薄く埃のように目立たない存在から、周囲の目をひく煌く存在になりたいと思うようになった。
この十年間で、当時の意識の変革により私はかなり光輝く存在に近づけたと思っていた。
しかし今もなお人との関りがしっくり来ず、悩みを抱えている。
この三泊四日を通して私は意識の深いところで、自身と対話する機会を何度か得られた。その時に気づいた事が二つある。
一つ目は人との縁、即ち、人と繋がる有難みを忘れていたこと。あらゆる人の優しさ感謝する心をいつしか忘れ、あくまで自分を煌めく存在にしてくれるメリットのある人にしか有難みを覚えなくなっていた。
二つ目は、周囲への恨みやうらやみが蓄積し、自念障害を引き起こしていたこと。
輝く存在になるため、自分より輝く周囲の人間の良いところを吸収していった。しかし、それがいつしか「何故この人のようになれないのだろう」「この人がこの場にいる限り輝けない」といった負の感情で自身の心を傷つけるようになっていた。
この二つの問題の根底にあるのは、自身の目指す「光輝く存在」。わたしは煌めきを目指し、光を放つことにエネルギーを消耗した。周囲からしたらまぶしくて熱くて近づき難いのは当然だろう。この数日間、自身と対話し、また人と接するなかでしっくり来たのは、「照らす存在」。具体的にはどんな存在かまだ自分の中で定まっていないが、自然かつ温かい姿勢で人と接しようと思う。
そして周囲の人間の良いところを引き出すことで、周囲の人間を輝く存在にしていきたい。